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「日報」を名乗りながら、更新はときどき。
by enikaita
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ウルトラセブン
ウルトラセブン_f0072231_1263857.jpgMXテレビで毎週月曜日の夜11時からやっている「ウルトラセブン」が佳境に入ってきた。
といっても、ほとんどが一話完結だから佳境もクソもないのだが、毎週欠かさない。10時50分にはテレビの前で視聴準備をはじめ、ウルトラセブンの前の番組である六本木バードランド提供のフラダンス番組までついでに見てしまう。

これまで見た話をいくつか取り上げると、映画『マッドマックス』の元ネタというより『恐怖の報酬』のパクリといった方が近い「700キロを突っ走れ!!」での荒唐無稽、過密都市への閉塞感と、郊外都市やニュータウンへの今からすれば能天気な希望をおりこんだ「蒸発都市」の社会諷刺、地球人が実は地球の侵略者であったのではないかという事実への葛藤を描いた「ノンマルトの使者」における善悪の彼岸などなど。「月世界の戦慄」に登場する、地球人に復讐をもくろむザンパ星人にいたっては、戦時中に逃げ場を失った非戦闘員が大量に身を投げたという沖縄の残波岬から命名されているらしい。ついでに言うと、この月世界を舞台にした作品の放映時点では、まだ人類が月に到達していないということもまた感慨深い。さらについでに言うと、ダンがセブンに変身できない時に出すカプセル怪獣というのがいるんだけど、これをヒントにポケットモンスターが誕生したというのは有名な話。
以上のような、子供向け特撮番組とも思えないなかなか凝ったストーリーが、これまた無意味に恐怖心をあおるような凝ったカメラワークによって描かれる。

さて、先週はシリーズ全体でも傑作の呼び声高い「第四惑星の悪夢」。監督は実相寺昭雄。宇宙探検に出たダンとソガはロボットが人間を支配する第四惑星に拉致される。MXでは残念ながら一部がカットされたようだが(アメリカの銃乱射事件の影響らしい)、このなかでゲシュタポのごとくダンらを拘禁するロボット長官を演じているのは、なんと昨年亡くなられた青年座の森塚敏氏であった。

Wikipediaで調べると、ウルトラセブンもあと六話を残すのみ。しかしさすが大量のマニアを抱えているだけにWikipediaの内容も充実している。各回のゲスト出演者まで詳細に掲載されていて、その中にこれまたなんと、私が昨年中にかなりお世話になった劇作家・演出家の福田善之氏の名を発見。

福田さんの代表作『真田風雲録』が1962年、『オッペケペ』が1963年初演だから、放映時点の1968年ではすでに福田さんはかなり名の通った劇作家だったはずであるが、この時代はそういうものなのだろうか。福田さんの出演されているのは第12話だそうで、早速ビデオ屋で借りて来ようと思ったんだけど、Wikipediaによるとこの回だけが「欠番」ということになっているらしく放映はもちろん、ビデオにもなってないらしい。第12話「遊星より愛をこめて」は吸血宇宙人の話で、その宇宙人の造形が明らかに被爆者を想起させるものになってて、白血病と吸血というイメージを結びつけたものであることが、この話がお蔵入りになった理由らしい。

しかしながら、YouTubeには、なぜかこの話だけが全編アップされていて、フクダ博士を演じる福田さんを(著作権法違反とはいえ)ちゃんと見ることができるのだから、これ時代の不思議というものです。
by enikaita | 2007-05-14 01:27 | TV
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