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「日報」を名乗りながら、更新はときどき。
by enikaita
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シアターアーツ44 2010秋
シアターアーツ44 2010秋_f0072231_2349185.jpg季刊発行の演劇批評誌「シアターアーツ」44号が発売です。今回の特集は「外への志向/思考」。演出家の野田秀樹さんを迎えてのシンポジウム「脱出せよ! 日本演劇」がトップ記事。このシンポジウムは優れた演劇評論に贈られる「AICT演劇評論賞」の受賞を記念して行われています。今回は内田洋一さん編集の『野田秀樹』と岡村春彦さんの執筆された『自由人 佐野碩の生涯』という2冊の本が受賞しました。

野田秀樹さんと佐野碩さんには、意外な共通点があるんです。そのキーワードが「脱出」。
野田秀樹さんは、いわゆる「国際交流」というレベルを越え、ロンドンで現地の人間ときっちり『赤鬼』や『The Bee』などの作品をつくっていますし、佐野碩さんは日本を離れ、ソ連からやがてメキシコへと渡って、「メキシコ演劇の父」とまで言われた伝説の人。つまり二人とも、日本を脱出した演劇人なのです。ロンドンでの作品づくりのことから、タイでの作品づくりの話へ。「リスペクトが大事」という野田さんの言葉は、あたりまえのことだけど、強い説得力がありました。

特集関連の記事としては他に、私も大好きなヤン・ファーブルニードカンパニーなど、ヨーロッパの先鋭的な舞台をガンガン日本に呼んでいる彩の国さいたま芸術劇場のプロデューサー、佐藤まいみさんのインタビューも必読です。

ほかの記事としては、先日亡くなられた舞踏家の大野一雄さん、劇作家のつかこうへいさんの追悼記事。

今回掲載の上演テクストは、劇団太陽族の『S小学校の眠らない夜』。小学校跡地を利用した大阪の精華小劇場の閉鎖・売却問題をストレートに取り上げた作品ですが、「公共」の名のもとに文化や芸術がないがしろにされるのは、今年上演された二兎社の『かたりの椅子』にも似ています。演劇人ならずとも必読ですよ。
by enikaita | 2010-09-24 23:59 | 舞台芸術
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