「日報」を名乗りながら、更新はときどき。
by enikaita
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おれたちエスキモー
「エスキモー」というのは「生肉喰う奴」という意味で、ネイティブ・アメリカンによる露骨な蔑称です。本来は「人間」の意味である「イニュイ」「イヌイット」などを使用しなければならないところですが、あえてこのコラムでは「エスキモー」を使用します。

彼ら、極北に住む人間は「朝」というものの意味が分からないそうです。「誰にでも朝は来る」はずなのですが、彼らには来ません。極北は太陽が沈みっぱなしのシーズンもあればいつまでも沈まないシーズンもあります。よって「朝」とか「一日」という概念が彼らにはないのです。「深夜2時」くらいには寝ていたいな、と考えるのが、私たちの常識的な考え方ですが、彼らの住む場所には「深夜」という現象がないので、好きな時に寝て、好きな時に起きるのです。この単調な生活リズムから来る時間感覚のなさは、彼らの数学力のなさにつながっているのではないか、と『カナダ=エスキモー』を書いた本多勝一さんは指摘しています。彼らが「5」以上の数を理解できないということに極北に住む民族の生活の厳しさをみるのです。

『カナダ=エスキモー』が書かれてからもう40年近くが経過し、現在のエスキモーの生活は、グローバリゼーションの渦の中で激変しているものと思われますが、それでも彼らに「朝」がやってこないことは変わりありません。

ちょっと話が飛びます。先日深夜2時ころに牛丼店にメシを食いに行くと、カウンターに座るとすぐそばで6歳位くらいの子供がふつうに牛丼を食べていました。親と一緒とはいえ、深夜2時に起きている子供には面食らいました。別に眠そうでもないので、日常的に深夜まで起きているのでしょう。元ヤンの母親は食後のタバコに火を点けつつ、棒アイスを食べています。父親は、グラスビールをちびちび飲んでいます。子供はアイスを欲しがるわけでもなく、ただじっとアイスを食べる母を見つめています。いまどきの「ヤンキー家族」の団欒のひとときなのでしょうが、なにしろ深夜2時です。

24時間営業の店舗がひしめきあう東京周辺において、「夜」も「昼」も、失われつつあるものなのかもしれませんが、それでもこの家族の時間感覚は「極限の民族」と呼ばれたエスキモーの家族にも匹敵する麻痺具合ではないでしょうか。消費社会の先端に立つ「先進国・日本」に住む私やこのヤンキー一家も実は昼夜問わず24時間、消費しつづける、世界にも稀な「極限の民族」であるということができると思います。

そういえば最近、私の頭がだんだん悪くなってきているように感じるのは、夜を失いつつあるせいかもしれません。
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# by enikaita | 2004-12-05 00:05 | コラム


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