「日報」を名乗りながら、更新はときどき。
by enikaita
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ブラジルのヒミツ
ブラジル・サッカーの強さの秘密はサンバのリズムにある、という研究を大真面目にやっている日本の大学研究者がいるらしい。試合前のブラジル選手控室では、持ち込まれた太鼓でサンバを踊り士気を鼓舞している。勝利のあとには勝利のサンバ。たしかにこんな陽気な連中に勝つのは大変だ。
ブラジル・サッカーがサンバだとすれば、アルゼンチンの強さの秘密はタンゴにありそうだ。イタリアはカンツォーネ、フランスはシャンソン……ということで、まあ結局なんでもいいのだが、だったらアフリカ勢がイマイチなのはちょっと納得いかない。

さて、ジーコ・ジャパンはどんなリズムでやっているのかというと、これがよく分からない。ただ今回のW杯のNHK放映では、オレンジレンジがつくったふぬけたイメージ・ソングが耳につく。この曲を聴くと脱力感に襲われ、勝てそうな気分も一気に吹き飛んでしまうのは私だけではあるまい。オーストラリア戦のグダグダな敗退もこの曲に一因があるのではないか、と勝手に考えている。

一次リーグも終わりに近づいてきたので、四年に一度のにわかファンである私にもそろそろ各国の特徴がわかってきた。メキシコは澱みないパスの連携が鮮やかで、ルチャ・リブレにおける技の掛け合いを想起させる。アメリカもプロレスっぽい。アメリカ代表が「国を代表して戦争にきた」「これは戦争だ」などと、大げさな発言をしたため、「さすがに戦争は言い過ぎ」と嗜めたイタリアとの試合は大荒れ。三人の退場者が出て、イタリアは本来の力を発揮できず、試合前のパフォーマンスにまんまと乗せられた。アメリカはなにごとでも駆け引きがうまい。
日本の特徴は「うまくいけばパスをつないで相手を翻弄する」サッカーらしい。前回のW杯ではそういった特徴はよく分からなかったから、なんか特徴ができただけでもすごく進歩したような気がする。しかし時にそのパス自体が目的化していると批判されもする。まるで己の技に溺れたサムライだ。

ブラジルにおけるサンバは個々の選手に弾みをつけていくだけでなく、選手相互がリズムを共有するために必要な手段なのかもしれない。日本代表が試合前に陽気にサンバはありえないが、なにかジャパン・オリジナルな歌を朗唱してみるのもいいかもしれない。……でも、あいにくとそんな歌が見あたらない。相撲甚句、炭坑節、こきりこ節、五木の子守唄、演歌にムード歌謡……2010年はなんでも試してみるべし。
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by enikaita | 2006-06-22 17:02 | 時事ネタ
きれいはきたない?
メガネドラッグやメガネスーパーの店頭には、必ず超音波メガネ洗浄器が置いてある。小さなステンの水槽にメガネを浸しスイッチを入れると、超音波の微振動が汚れをおとす。きれいになったメガネで見た世界は、「黒は黒い」というような当然のことが新鮮になり、少しだけ生まれ変わった気分になる、というのは少し大げさかもしれない。

超音波洗浄器はたいていタイマーがついていて、洗浄に3分。そのあいだ、ただ待っているわけではなく、ちゃんとメガネをジャブジャブ揺さぶったり、底に落ちないように支えたりしなければならない。スイッチを入れたとたんに、私由来成分のモヤが水中に拡散する。つい5分前にここでメガネを洗った誰かの由来成分もこの洗浄液には紛れているわけで、きたねえなあと思いながらも、その汚い洗浄液がメガネをきれいにするのだから、おかしな話だ。きたないモヤが拡がっていくさまを眺めるのは、稼働中の全自動洗濯機を覗きこむのに似て、不思議と飽きない。

さていつもはメガネがきれいになるのをおとなしく眺めているだけなのだが、今日はなぜか、どうしてもこの洗浄水槽に指を入れたくなってしまった。だれかの由来成分できっととても汚い。しかし指を入れたらどうなるのか気になる。

店員に見つからないようにおそるおそる人差し指の先を水槽に浸すと、超音波の振動がピリピリと伝わり、指先からエクトプラズムのごときモヤが! 水槽をさらに汚してしまったが数秒で指がツルツルになった。これはいいかも。汚れがおちていくのが見えるのは爽快だ。ダイソンの掃除機だってゴミが見えるから売れてるわけだし。しかし私の指はかくも汚れていたとは。人間用の超音波洗浄をしてみたい。

やはり人間用の超音波洗浄器はあった。有名どころでは、電機メーカーのサンヨーが70年の大阪万博に出品した未来のお風呂「ウルトラソニックバス(愛称=人間洗濯機)」。当時250万円で市販された(らしい)超高級家電だ。「人間洗濯機」というあまりに乱暴なネーミング・センスにおそれ入る。現物は大阪・守口市にあるサンヨーミュージアムで見ることができるが、入浴することはできないのでご注意を。

万博情報はこちらがとても詳しいです。

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by enikaita | 2006-06-05 11:21 | コラム
駐車監視員と『嫌われ松子の一生』
1日は映画が安い日なので、さっそく映画館に出かける。6月1日から駐車禁止の取り締まりが厳しくなるということで、テレビでも朝から再三報道していたが、映像で見たとおり、街には「駐車監視員」なるゼッケンを付けた人がうろうろしていた。

私たちは今日、新たな職業「駐車監視員」の誕生を目撃している訳だが、傍目から見るかぎりにおいてハードそうな職業だ。駐車違反者が車に戻ってこなければ、無事に安全に仕事を済ませることができる。しかしもし途中で運転手が戻ってきた場合や、既に車内にいて停車だと言い張る運転手などの場合は一転して簡単には収まらない。かなり厳しく逆ギレされることが予想される。実際にテレビでは、主になぜか「大阪天王寺発」の「絵になる」映像が流されていた。そのうちに監視員に対する暴行事件なんかも起きるんじゃないだろうか。いずれにしても「監視員」にはノルマがあるわけではないので、例えばコワモテのオニーサンが「すぐ動かすけぇちょっと待ってくれんかの」なんて言われたらば、ひきさがらざるを得ない。

「民間」に投げたことで「新たな雇用」が創出されたのだろうか。それにしてもこの「監視員」、そろいもそろって50〜60歳くらいのおっちゃんばっかりである。「新職業」なのだから若い人がやるのが自然なのに不思議だ。おそらく何らかの形でこの職業に転職せざるをえなかった人たちなのだろう。警察が面倒な仕事を民間に流し、「民間業者」は仕事にあぶれた中高年を集めて日雇い同然の待遇で仕事をさせている、というようにも見える。駐車監視員はプロレタリアートである。

さて、この日に見た映画は、『嫌われ松子の一生』。ヒット作『下妻物語』では深田恭子をゴスロリ少女にし、「ジャスコ」などのグローバリズム(?)を巧みに笑いのネタとして盛り込んだ中島哲也監督によるベストセラーの映画化だ。学校の先生だった松子は、さまざまな男たちに翻弄され、みるみる身を持ち崩し、社会のつまはじきになっていく。ビビットでファンタジックな映像とは裏腹に、松子像はかなりシビアかつリアルに描かれており、中谷美紀が好演している。キツイ内容だったからこそ、このような映像にもなったのかもしれない。これがたんにシリアスな映像だったら、松子のリアリティを保てないのではないか。

宮藤官九郎が演じたDV男に頼らざるをえなかったり、ゴミだらけのアパートの一室で死んだ妹の髪を切る妄想に取り憑かれる松子の孤独な心情は泣ける。松子の一生が大阪万博、オイル・ショック、トルコ風呂、光GENJIなど、戦後日本の世評・風俗と密接に関連しているところも面白い。

ちなみに50代で孤独な死を迎える松子と、駐車監視員は同世代である。新職業に就業したそれぞれの駐車監視員はどんな生活を送っているのだろうか。
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by enikaita | 2006-06-01 23:55 | 映画


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