「日報」を名乗りながら、更新はときどき。
by enikaita
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写真展「くるみちゃんの劇場」
あるパーティーで篠山紀信さんに、すれ違いざま声をかけられました。

「こないだ撮った君の写真があるからあげるよ、ちょっとまって」と、篠山さんが鞄をごそごそと探しはじめます。私は、「ああ、そんなこともあったな」と思いだしまして、篠山さんがポートレートを撮ってくれるなんてめったにあることじゃないだろうからすぐさま、「その写真、Facebookのプロフィール写真に使っていいですか?」と尋ねましたら、すぐさまご快諾いただきました。

「ほらあった!」と篠山さんが手渡してくれたその写真の中の私は、粘土でこしらえた篠山紀信そっくりの奇ッ怪なマスクで顔を覆っていたのです。私は「ああ、そうだった、なんであの時、せっかく篠山さんが撮ってくれるというのに、ふざけてこのマスクをつけてしまったのだろう」と後悔しました。その写真は、篠山紀信らしさがなく、むしろダイアン・アーバスや鬼海弘雄のような、狂気を匂わせるやたらにエッジが効いたものでした。

しかもそれを確認する前に、Facebookのプロフィール写真に使いたいと、自ら大先生に願い出てしまった。この写真じゃあ誰だかわからないし、そもそも、ここに写っている人物が私であるという自信も確証もありませんでした。撮影時の記憶がとっても曖昧だったのです。まったく馬鹿なことを言ってしまったなあと、軽く暗澹とした気分になったところで、目が覚めました。


さてそんなワタクシ、このたび初めての写真展をやっています。いくらか撮ってるうちに写真家の仮面をかぶることに成功したわけです。タイトルは「くるみちゃんの劇場」

2004年からずっと携わっていた演劇批評の雑誌「シアターアーツ」、2010年夏号からは私が撮影した劇場写真が表紙に掲載されています。柾木博行編集長になった2012年夏号からは、くるみちゃんという女の子が劇場で遊んでいるというシチュエーションでの撮影となり、今回の展示は2012年夏号以降の表紙写真ほかとなります。

シアターアーツの柾木編集長および編集部の皆さん、座・高円寺の森さん、くるみちゃんとくるみちゃんのご両親に感謝です。

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「くるみちゃんの劇場」
シアターアーツ表紙写真展 撮影=奥秋圭
2014年7月8日(火)〜8月3日(日)
会場:Galleryアソビバ
(座・高円寺地下2F)
(JR高円寺駅北口5分)

座・高円寺サイト内のページ
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# by enikaita | 2014-07-14 15:53 | カメラ・写真
春の西荻観光案内
来たる4月12日は恒例の「西荻夕市」。
今回もまた「西荻観光案内」を実施いたします。
ご興味ある方は是非〜!

西荻観光案内

驚きと感動の西荻観光へようこそ!
2本のコースを用意しました。

コースA
「ていねいに、」福田さん(西荻検定1級)と行く
西荻新生活応援ツアー

神明通りの「ていねいに、」店主、福田倫和さん夫妻が西荻をご案内。新生活を始める方も、しばらく西荻に住んでる方も、西荻以外にお住まいの方も是非どうぞ!

コースB
西荻案内人養成ツアー

「西荻案内所」所長、奥秋圭と旅する西荻。お店や街並みや歴史のことを知って、あなたも「西荻案内人」に。

4月12日(土)16時〜17時30分(終了予定)
お一人様1500円(おみやげ付き)
定員各コース10名

申し込み
nishiogi@topaz.plala.or.jp
03-6454-7663(西荻案内所)
氏名・電話番号・メールアドレスを添えてお申込み下さい。
集合場所等を折り返しお知らせします。

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# by enikaita | 2014-03-30 00:07 | 西荻
シアターアーツ56号の表紙は京都芸術センター。
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中から外まで、デザインなどやっている演劇評論雑誌の「シアターアーツ」2013年秋号が発売されています。今回も表紙の写真を撮影しました。
場所は京都芸術センター。昔は小学校だったそうです。真夏の京都、炎天下でしたし、モデル様が前日まで大阪某所で大活躍をされていた関係で、すこしおつかれかもと思い、今回はスピード勝負。入り口の門をくぐった先にアーチがあって、そこを過ぎると校庭があります。ところどころアーチを多用していて、趣きがあります。

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中の様子もすてきでしたので、廊下で撮影。外観と内観を同時におさえようというつもりでしたが、外が明るい!

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もう一枚、中からの写真。「虫愛づる姫君」が手にしているのは、西荻の人ならわかるかもですが、「ニヒル牛2」のむし展でも売っていたカブトムシ幼虫のぬいぐるみ。お気に入りです。
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んでもって、これが表紙でつかった写真。建物としてはここらあたりが一番フォトジェニック。もはや日かげから出られませんでした。
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# by enikaita | 2013-10-15 01:22 | 舞台芸術
シアターアーツ56号2013秋 発売中
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演劇評論誌シアターアーツの最新号(2013秋)が発売しています。

特集は「60年代演劇からの射程」。劇団唐ゼミ☆の中野敦之さんの原稿がおもしろいです。横浜国大で唐十郎さんがやっていた授業の内容からわかる意外な劇作術や、唐十郎の初期代表作『少女仮面』の分析などです。キテレツで破天荒と受け取られがちだった唐十郎の世界を、中野さんがどのようにとらえなおしているのかがわかって興味深いです。

戯曲は今回も2本。ひとつは宮沢章夫さんの『夏の終わりの妹』。
もう一つはアフガニスタンの演劇『Infinite Incompleteness―修復不能』。アフガニスタン人権民主主義連盟という団体によるドキュメンタリー演劇の翻訳です。この作品は30年以上にわたったアフガニスタンの紛争を生きぬいた民衆の生の声を集め、演劇として構成したものです。本翻訳は年末に東京芸術劇場のアトリエでリーディング上演されることになっていますので、そちらも期待大です。

表紙写真はワタクシ撮影。場所は京都芸術センター。旧小学校のすてきな建物です。撮影が真夏の炎天下で暑かったですが、今回もいい写真が撮れました。前号分ボツ写真をUPしそびれたけど、今号分とまとめてそのうちUPしたいなあ。

ひさしぶりの京都だったので、撮影日の午前中は「仏像浴」を楽しみました。三十三間堂と六波羅蜜寺。三十三間堂ではどこかの説明書きに、「後白河上皇の頭痛の快癒を祈願する目的で創建された」というようなことが書いてあって、そのスケールの大きさに呆れました。今も昔も国家の金はしょーもないことに使われるんですねえ。六波羅蜜寺では木彫の湛慶と目が合いました。この彫刻はスーパーリアルで、今にも「なに見てんだよ」と言われそうな、そんな実体感があり、たいへん緊張しました。

シアターアーツ
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# by enikaita | 2013-10-08 00:41 | 舞台芸術
10月12日西荻夕市は「西荻パン祭り」!
来たる10月12日は西荻夕市。
今回の夕市はなんと「西荻パン祭り」です!

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西荻に住んでる人なら、西荻においしいパン屋さんがとても多いことは知ってますよね。個人的には都内でも有数の「パンの街」なのではないかと思うのですが、一歩西荻の外に出たらば、「おいしいものは吉祥寺に揃っている」とか、「荻窪のほうが有名」というふうに思っている人がまだまだ多いかも? そこで西荻のおいしいパン屋さんのパンを、駅北口「海南チキンライス夢飯」前の小広場に集めて「パン市場」みたいになったら、来街者も行きやすいし楽しいだろうな、というのが今回の夕市です。パン屋さんに限らず、西荻にはすごいものがそろってますですよ〜。

「西荻パン祭り」も併催! パン屋さんじゃない夕市参加店のみなさんが、それぞれ工夫をこらして、「パン」にまつわるいろんな企画を用意しているようです。限定のパン食器、洋菓子店の限定パン、パンにまつわる雑貨、パン消しゴムまで。パン教室やパン皿陶芸教室も開催です。一番下のリンク先の地図にもう少し詳しく出てますので、チェックしてくださいね。

これまでにひきつづき今回もおみくじあり。参加店でスタンプを捺してもらい、5個あつめるとおみくじがひけます。大吉の人には参加店からのプレゼントあり。脅威の大吉率を誇るおみくじですよ。

そしてまいどおなじみ「西荻観光案内」。今回は「秋のミステリーツアー」。ちょっとあやしい場所にご案内する予定です。まだ若干名参加可能です。

さらには、前回とっても盛り上がった「西荻案内音頭」、ついにこの日にCD発売です。CDにはなんとオリジナルの手ぬぐい付き。紅白の手ぬぐいには、案内音頭の踊り指南イラストが描かれています。ジャケットは西荻にゆかりのある絵描きさん30名が参加した、「西荻絵描きコラボジャケット」になってます。この手ぬぐいをみんなで並んで掲げると紅白幕に早変わり! トラディショナルかつ斬新なアイデア! 近日中に画像をUPせねば!

西荻案内所では、「西荻モーニング」が特別編成。西荻のパン屋さんの食パン食べくらべです。お気に入りの食パンを見つけてくださいね。午後には西荻案内所所員、いぬんこさんが絵を担当した絵本「うれないやきそばパン」のよみきかせ会(出演は富永まいさん)です。

http://nishiogiyuuichi.tumblr.com/
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# by enikaita | 2013-10-04 00:44 | 西荻
劇団俳優座『三人姉妹』
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現在上演中、劇団俳優座『三人姉妹』のちらしを作りました。
『三人姉妹』はチェーホフの名作戯曲。戦後すぐに上演されたチェーホフ『桜の園』以来、日本の演劇において特に重要な位置を占めてきたのがチェーホフの四大戯曲です。そして、新劇の大ボス・俳優座がやるチェーホフといったら、そりゃもういわずもがなのド本流ですよ。「ケレン味」とか「脱構築」とか、まあなんでもいいですが、あんまり突拍子もないことはできないでしょう。それなのに、私にちらし製作のお声をかけてくださったという不思議。

よく聞いてみたら、一階の「俳優座劇場」のほうではなく、5Fの稽古場(以前はラボと言われていました)での公演なのだそうです。こちらなら「実験室」ですから、いわゆる新劇流の正統派チェーホフ劇でなくとも上演できますね。
チラシ用にいただいたキャスト写真を見て仰天。三人姉妹は20代の姉妹のはずなのに、出演の女優さんのほとんどが、20代よりもう少し……いやだいぶ歳上なのであります。もちろんここに仕掛けがございまして、演劇っていうものは映画と違って、そういうムチャな設定をもいともたやすく乗り越えていくのであります。これは見てのお楽しみ。

打ち合わせ時の雑談で、昔話をお聞きしました。翻訳劇の上演の際には、リアルさを追求するということでかつては「つけ鼻」をつけていたそうなんですけど、その「つけ鼻」をめぐるエピソードなど、抱腹絶倒でした。新劇の芸談をまとめた本を誰かつくってくれないかなあ。手さぐりで西洋の演劇を取り入れていく過程での勘違いや独自解釈など、かなりおもしろいですよ。証言者がまだ生きてる今がチャンスだよなあ。

劇団俳優座No.316 『三人姉妹』 
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# by enikaita | 2013-09-19 23:47 | 舞台芸術
ソトコト10月号
西荻案内所の活動が、雑誌「ソトコト」の10月号にでっかく扱われています。いや〜びっくり。記事のさわりはウェブでも読むことができます。同コーナーの過去のゲストには、ジェーン・バーキンやモハメド・アリ、水木しげる先生に、現代美術のクリストなど、そうそうたる顔ぶれが並んでいます。
そこになぜか、西荻案内所。このでっかい扱いにつりあいが取れるような活動を、地道にやっていきたいなあと、あらためて思うのでした。文は岡田カーヤさん、写真は阿部雄介さんです。

http://www.sotokoto.net/jp/

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# by enikaita | 2013-09-12 02:07 | 西荻
8月10日は西荻夕市!西荻観光案内も開催
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暑さの盛りですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。8月10日は15時から、西荻夕市開催です。今回も参加店でスタンプ5個を集めるとおみくじが引けます。大吉のおみくじには参加店からのプレゼントあり! 真夏の大判ぶるまいですよ!

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お楽しみ企画「西荻観光案内」も開催です。
今回は「西荻の夏休みツアー」と題して2コース用意しました。どちらもワークショップ体験とおやつつきです。コースAはシルクスクリーンTシャツのDavid&Jonathanで「シルクスクリーン体験」&ラスク入れ放題、コースBは雑貨食堂六貨の「ガラスお絵描き体験」&おいりつめ放題です。16時~18時。お一人様1500円(おみやげつき)定員各コース5名です。

お申し込みは氏名・電話番号・メールアドレス・希望コースを添えて下記まで↓
nishiogi@topaz.plala.or.jp
03-6454-7663(西荻案内所) 

なお、18時から北口夢飯前にて「西荻案内音頭」の発表披露をします。楽しい振り付けもついて、目下練習中ですよ!一緒に踊りたい人は西荻案内所までご連絡くださいね。
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# by enikaita | 2013-07-26 16:05 | 西荻
シアターアーツ55号(2013年夏)表紙は水族館劇場
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シアターアーツ55号(2013年夏)が発刊されました。
今回は2本の戯曲が掲載されています。
ひとつは平田オリザさんのアンドロイド演劇『さようなら』。人間そっくりロボットが人間と演劇をするという趣向の舞台でニュース等でも話題になりました。
もう一つは長田育恵さん作『凪の樹海』。せっかく予約していたのに、突然の体調不良(謎の背中痛)で舞台を見に行くことを断念したのは本当に残念。ただし長田さんが金子みすゞの生涯を描いた『空のハモニカ』が、8月1日から高円寺で再演されます。下北沢の「劇」小劇場で初演を見たのですが、あの小さな空間でここまでのことができるのかと圧倒されました。再演の舞台も楽しみにしています。

特集は「テクノロジーと舞台芸術」。先述のアンドロイド演劇や、ロベール・ルパージュの舞台などを取り上げています。
中のデザイン・レイアウト作業の際に、プロの方が撮影した舞台写真を大量に扱うことになるのですが、ロベール・ルパージュ演出のシルク・ドゥ・ソレイユ『KA』の写真ファイルを開いた時には、思わず声を上げてしまいました。ものすごいスケール感! いつかラスベガスまで見に行きたいと固く誓うのでした。本文はモノクロなので、そのスケール感が存分に伝わらないのがちょっと残念。

表紙写真は日本を代表するスペクタクル(と書くと語弊がありそうですが)水族館劇場です。太子堂八幡神社の境内に忽然と姿をあらわした劇場の名は「蜃気楼劇場『夜の泡(うたかた)』」。公演が終わればまた忽然と姿を消すのです。東京公演が復活し嬉しい限りなのですが、日程が西荻イベントの準備期間と重なってしまい、公演は見れずじまい。でも、いろんな人に一度は見ていただきたい舞台です。写真の場所は会場の受付。
モデル様のために劇団の方が木馬を出してくださいました。

シアターアーツは大手書店や下記のサイトで入手できます。
http://theatrearts.activist.jp/

演劇ユニットてがみ座『空のハモニカ』は、8月1日から座・高円寺です。必見!
http://tegamiza.net/take11/
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# by enikaita | 2013-07-23 23:25 | 舞台芸術
富士礼賛
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富士山が世界遺産に登録されたということで、私の故郷周辺では、たいへん盛り上がっているようです。子供の頃からのなじみだった神社も構成資産として入っていたりして、感慨深いです。
その喜びがいかなるものなのかというのは、すでに故郷を離れて20年が経とうとしている今、あまりイメージが沸きませんが、無数の地元の方たちの尽力や地道なPR作戦が功を奏したのだと思います。おめでとうございます。
でも個人的には、ちょっと富士山を過小評価していやしまいか、と思うわけです。本当に世界「文化」遺産でいいのかなあ。私が抱いている富士山のスケール感より、ちょっと枠組みが小さい気がするんですね。きっと地元にも同じ思いの方がいらっしゃるんではないかしら。
「構成資産」を概観すると、「それって文化遺産ではないのでは?」と思われるものがあります。富士五湖や忍野八海、胎内樹型の洞穴は、山梨県のホームページでは〈文化遺産〉として見事に説明されていますが、やはり強引な印象はぬぐえません。これらはどう考えても〈自然遺産〉とすべきものでありましょう。

そこで調べてみると、世界遺産には〈複合遺産〉というのがあるんですね。中国の泰山と黄山、トルコのカッパドキアにギリシャのアトス山、オーストラリアのウルル(エアーズロック)などがこの〈複合遺産〉になっています。富士山というのは、文化遺産と自然遺産、どちらの領域も横断しているわけですから、まさにこちらのほうがしっくりくる印象です。そして今回の構成資産を見ても、複合遺産的な内容になっています。ところがユネスコ的には自然遺産としての要件が満たされないというんですね。まあそりゃそうでしょう。頂上まで山小屋が林立し、青木ヶ原樹海には粗大ごみ、北と東の裾野には自衛隊の演習場と、その自然を人間にしゃぶりつくされているのが、現在の富士山です。
しかしながら世界的に見て、あんなに人が登りたがる山が他にあるのでしょうか。せいぜい高尾山くらいしか登ったことがないような老若男女が、登頂のためなら山小屋の雑魚寝もいとわず、具のないカレーも我慢し(去年食べた時はハンバーグが載っていましたが)、登山道の渋滞にもへこたれず山頂をめざすのです。しかも毎年30万人近くも。これはすごいことですよ。世界遺産というものがある種の聖性を担保するためのものであるとするならば、富士山とはその真反対の俗物性を含めて、評価されるべきものなのではないかと思うわけです。富士山は自然遺産だの文化遺産だのという小さな枠組みにはおさまらない領域にあるのです。

また富士山の面白さとして〈その存在自体を超越したシンボル性〉があります。
例えば富士山をモチーフにしたロゴマークをよく見かけます。だれもがひと目で富士山だと思う、三角形の上のトンガリ部分が削られたあの形。あの台形は、実際の富士山からは完全に一人歩きをした「フジ」という図形、としかいいようがないものになっています。葛飾北斎が描いた富士のデフォルメ感も含め、デザイン化された「富士」が、実体の富士とはもはや別のものとして、長年描かれ続けてきたというすごさ。
〈富士〉を名乗る企業もたくさんあります。四国には「フジ」という大手のスーパーマーケットがあり、初めて見た時はたいへん驚きましたが、もちろん四国からは富士山は見えませんよ。いったいなぜ「フジ」なのか、いまだに謎です。それから「フジフイルム」に、もうなくなっちゃったけど「富士銀行」、あと「武富士」なんて会社もありましたね。わが町にも「富士ガーデン」というスーパーがあります。
銭湯の「富士山のペンキ絵」というのもありますね。全国にいったい何件の銭湯で富士山が拝めるのでしょうか。富士山のペンキ絵がある全ての銭湯は、ただちに世界遺産に追加登録されるべきと思っています。西荻の天狗湯もこれで世界遺産の仲間入り! 千代の富士、富士櫻、北の富士、旭富士、日馬富士あたりもただちに世界遺産入りを検討すべきでしょうね。

そういう冗談はともかくとして、各地に築かれた富士塚に見られるように、富士山をめぐる信仰もかつてたくさんあったといいます。それらは信仰であると同時に観光でもあったはずで、古えから聖と俗とが混在するのが本来の聖地の姿。現在も富士の裾野には、たくさんの新興宗教の本部がありますが、これらを聖と見るか俗と見るかは、それぞれの方にご判断を委ねるとして、さまざまな人の欲望や愛や信仰心がうずまきながら、なにくわぬ顔でたたずんでいるのが富士山のすごいところです。

故郷に帰る毎に、かつて住んでいた町がこんなにも小さかったのかと愕然とします。しかも行く度毎にますます小さくなっていく。その中で真正面にそびえる富士山だけが、圧倒的な質量をもって私に迫ります。富士山だけは、見る度に大きくなり、私を圧倒するのです。
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# by enikaita | 2013-06-24 02:49 | 時事ネタ


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