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「主人と奴隷」というのは、理系の用語である。 パソコン様が立ち上がるときにまずハードディスクにアクセスするんだけど、複数のハードディスクをつけてる場合は、そのアクセス順をあらかじめ決めとかないとパソコン様が混乱してしまうらしい。最初にアクセスしなきゃいけないOSなどが入ったハードディスクを「マスター」、あとの単なるデータ倉庫を「スレーブ」として、ハードディスクについてるスイッチでパチッと指定しておく。 これって、「メイン」と「サブ」あるいは「ファースト」と「セカンド」でもいいじゃないのと、私も思う。なんでよりによって「主人と奴隷」なのかしら。 一見並列なんだけど両者の関係に実は階層があるもの全般について、理系用語として「マスター」と「スレーブ」はフツーに使用されているものらしい。最初にこんなふうに名付けた人のささくれたセンスに恐れ入る。 で、ここ一週間ばかり、DVDビデオの製作をしている。ビデオカメラで撮った映像をパソコンで編集して、それをDVDに。キーボードやマウスによる入力命令に従って、カリカリと作業をしてくれてるわけだから、当然この場合、私が「主人」でパソコンが「奴隷」になるはずなんだけど、どうもそこらへんがしっくりこない。やはりここは「パソコン様」と敬称でお呼びしよう。 うちのパソコン様は安DVDメディアを受け付けない。さんざん待たされたあげく、ペッとはき出されてしまう。台湾製だからお気に召さないのか、パソコン様よ? 実際に日本製ディスクを買い直してきたら、何の問題もなし。お米と同じで日本製は美味しいらしい。 こんな感じでひたすらパソコン様のご機嫌取り。ボディが熱くなって挙動がおかしくなってきたから扇風機をあててみる。やはり機嫌が直る。使うはずの道具にいつの間にか使われている。 そんなパソコン様は時に親切だ。たとえば「ら抜き言葉ですよ」などと、いちいち教えてくれる。私は山梨県出身で、じいさんばあさんに至るまで「ら抜き」、ときに「え入り※」で、「ら抜き言葉」に全く抵抗感がないのだ。(※着られない→着れない→着れえ(得?)ない、という言い方ね)だから「ら抜き」を指摘されると、アイデンティティを否定されているようでたいへん腹が立つ。パソコン様はサディストであると推察され、そこで私が忠告に従えば、いよいよ「主人と奴隷」の関係は完全に逆転するが、これはやはり腑に落ちない。
by enikaita
| 2008-09-29 13:19
| コラム
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