「日報」を名乗りながら、更新はときどき。
by enikaita
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自己愛の果て。
東京・中野の糞尿を庭で煮つめて悪臭をばらまいていた男が逮捕され、テレビなどで顔が晒された。なんかすごくキタナイ事件なので、見た目汚い感じの人なのかと思っていたら、ブラウン管で見る限り、ひげもきっちり剃っているし、そんな不潔なオッチャンにも見えない。
このオッチャンは以前からマスコミでも取り上げられていた。映像ではこのオッチャン、足の皮をぼりぼりとむしりながら取材に応じていた。その時のコメントは「俺は別に臭いものを撒いたおぼえはない」みたいな感じ。

さて、ある心理学者によるとこのオッチャンは自己愛が極度に強いのだという。だから自分の躰から排出されたものを捨てることができない。なぜならそれは自分の分身だからだ。オッチャンが糞尿をため込んで庭で煮つめたり、ぼりぼりと足の皮をはぎながら取材に応じたり、意外と身ぎれいだったりするのもそれで納得がいく。グルーミング好きなのだ。自分のものだから臭くないし汚くない。

こういったオッチャンの一連の行動は全く理解できない……といいたいところだが、私自身にも不思議に捨てられないものがあったのを思いだしてしまう。
それは抜歯した虫歯。猛烈に痛んで私を昼夜悩ませた虫歯は、すでに露髄していて、手の施しようもなく、かみ合わせの歯が生えていなかった(このせいで歯医者に「新しい人類」といわれた)ため、時間がかかる保存治療を断念し、抜歯することにした。
私の奥歯は歯根が捻れていたため、百戦錬磨の歯科外科医を手こずらせた。ペンチのような器具をあてがっているが、自分の口の中をじかに見ることはできないため、具体的にどのような作業をしているのかは分からない。

やがてあきらかな手応えとともに、不格好で大穴のあいた血まみれの歯が一本、口腔内から摘出された。その歯は助手によって洗浄され、小さな透明ポリ袋に入れられ、ガーゼに包まれて私に手渡された。
かつて私の躰の一部であったその小さな歯片が、私を悶絶するほどの苦しみに陥れたのかとおもうと、自分の分身のような気がして奇妙な愛着もわく。
今後なにかの役に立つ可能性はまったくないが、それ以来引き出しの一隅にしまわれたこの虫歯を捨てられないでいる。
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by enikaita | 2006-07-11 19:18 | 時事ネタ
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