「日報」を名乗りながら、更新はときどき。
by enikaita
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関東甲信越「小さな旅」
旅に出たい。
……と思い、突然「小さな旅」に出ることにした。
とはいえ、もう既に午後をまわっていて、どこに行くにも時間が遅すぎる。「さいたま」に行くことにした。なぜ平仮名で書いたかというと、行く場所が平仮名だからだ。
彩の国さいたま芸術劇場は埼京線の与野本町駅が最寄りだ。ここでヤン・ファーブルの『主役の男が女である時』というソロ・ダンスを上演している。これを観に行く。

私の住む場所から与野本町までいろいろなルートを採ることができる。赤羽岩淵で下車して赤羽まで少しだけ歩くとか、王子経由とか、地下鉄で池袋まで出てから埼京線とか。今回は上野駅から高崎線を使って赤羽で乗り換えることにした。高崎線は上野を出ると鶯谷のカーヴのあたりからスピードを増し、京浜東北・山手線とは少し外れて尾久というマイナーな駅に停車する。この尾久駅の周辺は鉄道車両の待避所みたいになっていて、カマボコ屋根の客車(いわゆるブルートレイン)がたくさん停車している。寝台列車には乗ったことがないし、内田百閒の『阿房列車』『立腹帖』を立て続けに読んだこともあって、ちょっと乗ってみたいが、値段を比べると飛行機よりずっと高いからますます乗る機会がない。百閒先生も食堂車で夕暮れの景色を眺めつつ飯を食ったりしているが、食堂車もいまや北海道方面の夜行列車のみにある。
『阿房列車』は「なんにも用事がないけれど、汽車に乗」るわけで、汽車に乗るという行為自体が目的となっている。飛行機のほうが安くて早いんだから、高くて遅い今の夜行列車は『阿房列車』そのものの贅沢品だ。

さて、帰宅で混雑する赤羽駅で乗り換え、やがて与野本町に着く。駅前にはスーパー、パチンコ屋、喫茶店、以上終わり。閑散としている。劇場までの道のりも蒸し暑さだけが空しい郊外の風景の中を歩かなければならない。なんでこんなところに劇場があるのか、行くたび不思議に思う。
今日突然思い立ったので、当日券を買い求める。事前の電話で当日券があるという事実だけは確認済みだ。2階席の側面のかなり見やすくないが安い席を選ぶ。時間があるので食事をする。劇場の近隣には焼き肉屋しかない。劇場施設の中にはメニューが一種類しかないパスタ屋がある。それを食う。

劇場に入り、席に座ると安い席だけに舞台が遠い。大ホール観劇用のニコン・ミクロン双眼鏡を手に、開演を待つことにする。(つづく)
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by enikaita | 2006-07-01 10:28 | 舞台芸術
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