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by enikaita
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消せない足跡……『FAGAALA』
JAANT-BI 振付・構成・演出=ジャンメイ・アコギー+山崎広太/パークタワーホール

はじめて山崎広太のダンスを観た時、視覚に不思議な作用があらわれた。彼のぶん回した手足が舞台上に残像として残り、それが舞台上を埋め尽くしていったのだ。そんな彼がセネガルにあるアフリカン・ダンスの国際センター、JANT-BIを率いるジャンメイ・アコギー氏と共同振付をした。手足の長いアフリカン・ダンサーと山崎の振付は相性がよさそうだ。

冒頭は「声」である。6人ほどのダンサーが小さなフォーメーションを組みながら舞台を練り歩き、アフリカーンな歌をうたう。カッコイイ。思わず体が震えてしまう。彼らは狩猟民族を思わせる慎重な足取りだ。獲物に気づかれまいとするような。アフリカン・ダンス的な、足をバタバタとものすごく速く動かす動きも、接地することを拒否する、あるいは足跡を消すためなのかもしれない。個々の身体能力が高くて圧倒される。

途中、明らかに「舞踏」を意識した動きが挿入される。痕跡そのものともいえる「舞踏」は農耕民族的なものであり、痕跡を地面に残すことを嫌うような「アフリカ的身体」と相容れないものであるが、アフリカ人の「舞踏」も面白い。

全身白塗りの男が舞台に上がる。彼が頭や手足を振り回すと、白粉が撒き散らされる。それは山崎のダンスにおける「残像」のようでもあった。この男が歩き出す。黒い舞台に白い足跡が一つ一つ刻印されていく。その足跡がまさに、山崎がJANT-BIと歩んできた足跡でもある。

この作品は「ルワンダのジェノサイド」を主題にしたということであるが、そういった暴力性、残虐性、狂気を、記号としてちりばめてはいても、全体としてそれが批評性を持った鋭さを得ているようには見えなかったのは残念だ。ダンスが政治的主題を扱うことの難しさを感じた。
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by enikaita | 2006-03-22 08:30 | 舞台芸術
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