「日報」を名乗りながら、更新はときどき。
by enikaita
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活版と現代デザイン
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毎月、本にまつわるトークショーを開催している「西荻ブックマーク」。今回は荻窪で活版印刷のアトリエ「LUFTKATZE」を開いている平川珠希さんがゲスト。活版印刷は、実用上は風前の灯火。職人さんも高齢化し、年ごとに状況は厳しくなっているようです。そんな中で平川さんは、頑固な職人さんと渡り合いながら、活版を自分のデザイン活動にも活かしつつ、活版印刷のワークショップなどもされているそうです。

西荻・トトロの樹の近くに「カッパ印刷」なるフザケた名前の印刷屋さんの看板があります。「カッパ印刷」だけに当然、活版印刷をされているようなので、以前から独特の質感を持った活版印刷の名刺にあこがれていた私は先日、いきなりお伺いして「活版印刷で名刺をお願いしたいのですが……」と頼んでみたばかり。残念ながら、名刺用の機械は故障し、もう直すこともできず、名刺の製作はされてないようでした。なので今回の「西荻ブックマーク」、個人的にとってもタイムリーな企画であります。

普段の仕事は、Indesignやらイラレやらで組版したデータを、メールで印刷所に送信、というだけなので、実はなんだかんだで普通の印刷現場のことも今ひとつよくわかっていないわけですが、今回のお話で、これまで奇妙だなと思っていたことが腑に落ちることもあり、活版→写植→DTPへとダイナミックに変貌してきた中でも、連綿と続く印刷のキモみたいなものに触れることができました。

一つ一つの字をピックアップしていく作業、字間を調節するために挟み込まれる「クワタ」と呼ばれる装置、活字の元型を下絵なしに削りだしてしまう90歳にならんとしている超人的な職人さんなど、活版印刷というプリミティブな装置には、膨大なエネルギーが費やされるということに感嘆し、そういう大変な苦労があってようやく組み上げられた鉛のカタマリの束が、ガシャコンと紙とぶつかり合って印字されるということに興奮。やはりこういうプリミティブな装置にはエロスがありますね〜。

ふだん、ついつい私がコスト高のフィルムカメラの方を手に取ってしまうのは、これと同じような「エロス」のせいかもしれません。モニターに映し出されただけでは物質として存在せず、幻でしかないわけだけど、ある風景が灼き付けられたフィルムは、それがどんなにしょーもない写真であっても、厳然と物質として存在しているということが、実はスゴい。私が撮ったしょーもない写真でさえスゴいんであれば、いろんな人の技術と人類の叡智がつまった活版印刷は、もっとスゴいというわけです。

今回一番驚きだったのが、個人用の活版印刷機が新たに製造され、「アダナ」というこれまたおもしろい名称で販売されていること。ちょっと欲しい〜! でもさすがに高いですね〜。

リンク
西荻ブックマーク
LUFTKATZE
朗文堂 アダナ・プレス倶楽部(←活版印刷機販売)
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by enikaita | 2009-01-19 00:55 | 出来事
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